ファイナンシャル・プランナーはお金に関する知識を持った専門家であり、お金に関する将来の不安や資産運用に関するアドバイザーでもあります。
そしてお金に関する国家資格ということで、保険業界だけでなく不動産や金融業界、コンサル業界とさまざまな分野でその知識を活かせます。
さらにFP2級の試験では基本的な知識だけでなく、専門的で深い知識を求められるため、相応の勉強をしなくてはなりません。
しかし、FP2級技能士になれば会社でのキャリアアップはもちろん、就職や転職時のアピールポイントになるため、是非取っておきたい資格です。
ファイナンシャル2級の試験を受けようと思ったきっかけ
令和3年の1月にFP3級に合格した時、せっかく覚えた知識なのに忘れてしまうのが勿体なく思え、そのまま令和3年5月実施のFP2級を申し込みました。
FP2級の試験は受験するための受験資格があり、以下の3つのどれかに当てはまる方でないとFP2級の資格を受けることができません。
- AFP認定研修の受講修了者
- 3級FP技能検定合格者
- FP実務経験2年以上
自分の場合は、上から2つ目のFP3級に合格できたことで、2級受験の資格を得たことになります。
実務経験が2年無い方はFP3級から受験しないといけないことを考えると、ハードルがちょっと高めですよね。
しかし、FP2級ともなると自信をもって履歴書に書けますし、自分がちょうど受験に迷っていたのはコロナ渦の真っ盛りの時期でした。
そのため、今後何が起こるか分からないという不安もあり、もう少しお金に関する知識を学びたいと考え、試験の申し込みを決意しました。
FP2級試験の受験団体に『日本FP協会』を選んだ理由
自分が試験を申し込んだ団体は『日本FP協会(実技:資産設計提案業務)』です。
理由は『合格率が一番高い』から。
自分が申し込んだ『実技:資産設計業務』の合格率は50~60%ほどですが、『実技:個人資産相談業務』は30%とかなり合格率が低いです。
同じFP2級の試験でこんなに合格率に差があっていいものか疑問に思いますが、深くは考えないことにしました;;
仕事でFP2級を受ける方によっては、会社から受ける実技を指定されていることもあるんですよね(汗
幸いにも自分は会社から受験する実技の種類を指定されることがないので、FP協会一択でした。
そして分かっていたつもりでしたけれど、自分は全く分かっていませんでした。
合格率は50~60%だしそこまで難しくなることはないだろうと思っていましたが、FP3級からFP2級になったとたん
難易度が爆上がりしました
FP2級の勉強期間は約3か月

PF3級に1月に受かり、そのまま5月にFP2級を受験を申し込みましたが、実際FP2級の勉強を始めたのは3月からになります。
できればFP3級で勉強した知識を忘れないうちにFP2級の勉強を少しづつでも始めたかったのですが、1月、2月は年度末で仕事が忙しくとても勉強する時間が取れませんでした。
そのため3月になってようやく勉強を始められました。
しかしFPについて勉強していない期間が2か月空いたことで、覚えた知識はほとんど忘れてしまってました。
仕事から疲れて帰ってきて、勉強する気は起きないけどパラパラテキストは見てたんですがいざ勉強しようと思ったら完全に忘れ去ってました。
ですので、5月24日の本試験まで3か月切った状態でのスタートになります。
学生の方でしたらちょうど春休みが重なるので、勉強時間を確保できるかもしれませんが、自分は昼間仕事がある社会人です。
勉強時間は平日は仕事が終わって帰宅してからと、土日しかありません。
その土日も勉強だけに集中できるわけではなく、色々雑用があり丸一日勉強できる日はほとんどありませんでした。
なので、ファイナンシャルプランナーについて、1から勉強する心構えで勉強を開始したのを覚えています。
FP2級の勉強に使用したテキストや勉強方法について
独学のためテキストは市販のテキストと問題集を購入になります。
FP3級を独学勉強した時と同じ『みんほし』シリーズを購入しました。
みんなが欲しかった! FPの教科書 2級・AFPを選んだ理由
FP3級の時に『みんほし』シリーズのテキストを使用して思ったのが、文章が分かりやすかったのとイラストや図がたくさん挿入されていたことです。
FP2級の学習内容は、出題分野が広く、そして覚えなければならない量も多いです。
それがテキストにぎゅっと詰め込まれているわけですから、文字ばかりのテキストで学習を続けるのはかなりキツイです。
みんほしシリーズは他出版社のテキストの中でもページ数が多い方に入るでしょう。(500P超)
しかし、ページ数が多少多くなってもイラストや図が入っていたほうが、自分的には理解しやすいと考えました。
ページ数がいくら少なくても、理解できなかったら意味がありません。
また3級のテキストで『みんほし』の解説文に慣れていたため、下手に違う出版社のテキストを購入して、異なる解釈や言い回しで頭が混乱するのを避けたかったというのが主な理由になります。
FP2級の勉強内容は知識に加えて、計算公式で解く計算問題が難しい
FP3級の時から思っていたのですが、FP試験に出てくる用語はとにかく漢字が多いです。
しかも似たような漢字です。
現価係数
年金現価係数
年金終価係数
資本回収係数
減債基金係数
係数だけでもこれだけあります。
特に『減債基金係数』は『減』ると書いておきながら、目標金額達成のための積立金です。
積み立て=増えるのに『減』とはこれいかに???状態で、最後まで混乱しました。
しかも、FP3級のときは増える減るのグラフ図をぼんやり覚えていればよかったのですが、FP2級になると実際に自分で計算しなければならなくなったので、電卓で乗算するやりかたを確実に覚えなければなりません。
さらに覚える公式は係数だけではありません。
投資信託といった資産形成のための『債券利回り計算』では、

このパッと見から難しい計算式を覚えなければなりませんでした。
しかし、この公式を覚えないと、自力で計算して答えを導きだせないのです。
どちらかというとコチラの方が、学科・実技共に頻出してるので絶対覚えなければならないポイントでしょう。
漢字が多くても単語を覚えるのはまだ得意だったんですが、計算式を覚えるのは学生の時以来です。
過去問を何度も周回して計算できるようにしました。
計算問題を何度も解くのに、頻出する計算式だけをまとめてみました。
(PDFデータも作ったのでダウンロードもできます。)
計算問題を解くときにご活用ください。
[sitecard subtitle=関連記事 url=https://webkatsudou.com/fp_keisansiki/ target=]
テキスト読み込み1か月半+問題集1周に1か月。

テキストをじっくり読んで、分野ごとの確認問題を照らし合わせしながらテキストをすすめました。
中でも、計算の公式と電卓の使い方を覚えるのに苦労しました。
普段電卓はめったに使用しないので、最初の頃は打ち間違えばかりでした。
また学習分野もFP3級の時より増えているため、テキストを1周するのも時間がかかってしまいました。
問題と解説を交互に確認
そしてテキストを1周できたら『問題集⇒解説⇒テキスト確認』の繰り返しです。
みんほしは問題集の解答の後ろに、各分野の重要ポイントだけをまとめたページがあるので、その重要箇所まとめページで問題の解答を確認してもいいです。
しかし問題の中にはテキストに書いていないことが出題されていることがあり、ネットで知らべることもしばしばでした。
特に年金や遺族年金あたりは条件が複数あり、理解するのに時間がかかりました。
しかし、ひとまず問題集を1周することを優先して、消化しました。
【理由付けノート】問題ごとに解答を『理由付け』する

問題を解く時、正誤の全ての解答に対して『理由付け』ノートを取りました。
問題集を繰り返して『答え』を覚えてしまうことを防ぐのと、何が正解で何が間違いなのか、1つ1つ整理して理解するためです。
理解できないときは自分で図を写したりしました。
混乱しがちな6つの係数や計算公式だけを、まとめたノートだけを作って後で確認しやすいようにしたところ、いちいちテキストを開かずに済んで効率がよかったです。
YouTubeでFP2級の講義動画を見まくる。

テキストと問題集をとりあえず一周しているお陰で、講義動画も何を言っているのか全く分からないという事なくついていけます。
講義動画は各分野ごとに分けられたもの、20分~30分のものを平日は1日1動画、週末は2,3個見ました。
テキストを読んだり、問題を解くだけでは理解できなかった年金の仕組みなども動画で説明されると理解しやすいんですよね。
たぶん動画が無かったら自分は理解できてませんでした。
特に平日は昼間仕事がありますし残業なんてしたら疲れ果てて、夜勉強する気力は残っていないです。
そんなときは部屋でぼーっとしながら流し見したりと、とにかく1日15分だけでも見たり聞いたりするようにしました。
仕事をしながら勉強って本当に大変です………。
自分がチャンネル登録してよく見ていたのはコチラです。
苦手な分野を見てもいいですし、なんでもいいです。
ごっちゃになりやすい部分もゴロ合わせを教えてくれて覚えやすかったです。
ときおり寒いギャグがでたり、話が『余談なんですけど』と言いながらちょっと横道にソレます。
しかしずっと集中するのは疲れてしまう自分にぴったりでした。
試験が近くなると、最低限これだけは覚えておいた方がいい重要箇所だけをまとめた動画がUPされたので、試験直前にも最終確認で見ました。
(しかも、本試験受けて驚いたのですが、その横道にソレたネタが問題にでてきて笑いそうになりました)
過去問道場でひたすら近年(2018~)分の過去問を回す(2週間)
試験が近くなってくると平日も最低3時間、土日は1日ずっと過去問を回します。
学科と実技、両方の過去問を回すことを考えたら、普通の資格試験の2倍の過去問を回すことになります。
過去問を解くのに使用した過去問サイトはコチラです。
もちろん利用は無料で、ちゃんと毎年の法改正にも対応されているので安心して過去問を解くことができますよ。
あんまり古い過去問を解いても出題傾向が変わっている可能性があるので、ランダム出題問題を直近4年間分に絞ります。
電卓を使った計算式も、何度も過去問を解くうちに覚えていきました。
また、無料の過去問サイトもまとめてみたので、よかったらご活用ください。
スマホで一問一答形式で解けるので、スキマ時間の活用にとても便利でした。
[sitecard subtitle=関連記事 url=https://webkatsudou.com/fpkakomonsite/ target=]
FP2級試験本番。

FPの試験は、受験申し込む時に確認画面が出るのですが、中止になっても受験料は返金されません。
この時、まだまだコロナを引きずってましたが、公式サイトで試験を実施するとの告知が出たときはホッとしました。
(令和2年の5月試験が中止になったのは衝撃でした………しかも受験料返金無し……)
FP試験の説明開始30分前に会場に入り、最後の計算公式の確認。
6つの係数や計算公式だけをまとめたノートを作っていてよかったです。
まわりは出来るだけ見ないようにします。
他は他、自分は自分。
でないとすぐに試験会場の雰囲気に自分は飲まれてしまいがちなのです……。
周りみんな、自分よりもはるかに頭よさそうにしか見えないんです(泣
解答を問題用紙に写しておく
試験でマークシートのどれにマークしたか、問題用紙に解答を写しておくと、試験後に自己採点ができます。
マークのズレにあとで気づくと、修正するのにけっこう時間がかかるので大変です。
なので対策を立てておくと、マークズレの事故を防ぎました。
午前試験に集中して疲れきっているけど、そこから午後の実技試験

午前に2時間試験を受けるだけでも、めちゃくちゃ集中するので疲れました……。
説明時間も入れたら約2時間半です。
そこからちょっと休憩して午後の実技試験は体力的にも精神的にも正直しんどかったです……。
会場周辺にご飯食べるお店はありましたが、ゆっくりできそうな雰囲気ではなかったので、コンビニでオニギリと翼の生えるドリンク、糖質補給にチョコを買って、食べながらスマホで過去問をまわしました。
学科が終わったらすぐに予備校とかネットに解答速報が流れたので、点数が気になる方や学科だけ受験の方はお昼やすみに自己採点してましたね。
でもここで自己採点して6割取れていなかったら。気持ちが凹んで午後の実技に集中できないので、絶対自己採点はしません。
むしろ午後の実技試験を控えて、学科試験を自己採点できる方のメンタル強し………。
自己採点のために解答は6割取れれば合格!
FP2級の実技試験は『試験時間が足りない!』とのコメントを見るのですが、それこそ『計算する時間』が足らないのです。
実際1問ずつ計算するので、計算の仕方がわかっていても時間がかかります。
1問に対する時間配分を間違えると、とたんに後ろの問題を解く時間がなくなります。
例え時間をかけてたった1問解けたとしても、
全体が6割取れなければFP2級の試験は不合格
となってしまいます。
どんなに解けなくても、残り時間と残りの問題数は常に確認して、解けない問題はさっさと見切って次の問題、解ける問題を解いたほうがいいです。
もし時間が余ったらまた解けばいいだけなので、1問にこだわらず、とにかく全問を一通り解きました。
実技試験が終わった時、3問白紙の解答用紙でしたが、他は解答を書くことが出来たので十分です。
自己採点は6割超えてました。

家に帰ってひと休みしたころに日本FP協会から解答が発表されたので、自己採点しました。
無事に学科・実技ともに6割超えていました。
実技は3問白紙ですが、全く問題ありませんでした。
これをたった1問のために時間配分を間違えて、解けるはずだった残りの問題を解けずに、試験そのものを落す方が勿体ないです。
解ける問題から解く。
FP試験に関わらず、どんな試験もたまに解くのが非常に難しい『無理問』と呼ばれる問題が潜んでいるときがあります。
そんな問題は捨てて、解ける問題を解きましょう。
FP2級試験合格発表日 9:30

FP3級はキンザイでしたが、FP2級は日本FP協会のサイトで確認し、無事『完全合格』をいただけました!
朝の9:30に発表なので、会社でこっそりです………。
自己採点は6割超えていたので大丈夫だろうと思っていても、合格確定するまでは不安でした。
そして今回も合格お祝いにスシロー行ってきました。
(生ハムが好きなんです!!)
FP2級試験に合格して役立ったこと
FP2級試験に合格できるほどの勉強すると、お金に関するかなりの知識を学んだことになります。
投資信託に関心のある方でしたら、各企業が定期的に投資家向けに出しているIR報告(業績報告)を理解できるようになり、投資先を考えるのに役立つでしょう。
持ち家に住んでいる方でしたら、買い替えの時期や相続に関して適用控除(単体・重複可)について学んだので、もっとも控除を受けられる申請タイミングが分かるかと思います。
会社から資格合格のお祝い
勤めている会社に自分がFP2級試験に合格できたことを伝えたところ、スキルアップ賞としてお祝い金をいただけました。
こうして形として会社に認められるのは嬉しいですし、自信にも繋がりました。
iDECOの運用
老後を考えると公的年金だけではとても生活していけないのは、多くの方にも周知されているかと思います。
そのため「個人型確定拠出年金iDECO」の運用を考えてます。
iDECOとは私的年金のことです。
そして私的年金ですが『年金』なので毎月支払った分のお金は普通の公的年金と同じように所得から控除できます。
額も5000~とお手軽なものからあるので、各会社から出ているiDECOサービスを比較してます。
まとめ | FP2級試験は計算力!

FP2級を受験してみての感想ですが、独学でも十分合格できます。
しかし、あくまで腰を据えてじっくり勉強すればの話です。一週間や一夜漬けでの合格は限りなく不可能でしょう。
そして学科・実技を通して、合格するためには知識はもちろんですが、計算公式を覚えて電卓で解く『計算力』が不可欠です!!
学科試験はマークシートでも、4択の中から選べば確率25%です。
それが60問ならとても運だけでは合格できません。
きちんと勉強して知識を頭に入れておかないと問題を解くことはできないでしょう。
実技試験に至っては『解けない問題』をいかに早く見切りをつけて、次の問題にすすみ、解ける問題を解くかです。
上でも書きましたが、自分は解答用紙3問白紙です。
しかし、全体として解答は7割合っていて、無事に一発合格できました(FP試験は受験後に成績通知表が届きます)
もちろん実技試験はガチの計算問題が多数出題されますので、電卓を使って問題を解く力をつけておくのは大事です。
そして基礎力をつけて、難易度の低い解ける問題を確実に解けるようになれば、合格というゴールがぐんと近づきます。


