『ファイナンシャル・プランナー』という資格について、聞いたことがある方は多いと思います。
自分も資格の1つとして、ぼんやりファイナンシャル・プランナーは知っていました。
しかし、お金や税金について学ぶ資格という漠然としたものだけで、詳しくは知りませんでした。
そんな自分が、ファイナンシャルプランナーの資格を取ろうと立ち上がった経緯から、実際に勉強した体験や一発合格できた勉強方法、勉強時間、難易度などをこの記事では詳しく紹介したいと思います。
ファイナンシャル・プランナー(FP3級)の資格を取ろうと思ったきっかけ
いずれは自分もお金について勉強しておかないといけないと思いつつ、ずるずる引き伸ばしていたわけなのですが、そんな自分に転機が訪れました。
宅建に合格できたのです。
そして次にチャレンジする資格として、試験の出題分野がかぶっているため相性の良いファイナンシャルプランナーをすすめられました。
実は宅建とファイナンシャルプランナーは、不動産と相続という勉強分野が被っているのです。
そのため宅建の合格者は、3割くらいあんまり勉強しないで大丈夫だと言われていますし、実際、相性がとても良いので宅建とファイナンシャルプランナーの両方の資格を保有している方は多いのです。
受験しようか迷っていた自分を後押し
さらに受験する気持ちを後押ししたのは、すでにFP3級を合格している会社の同僚の存在です。
試験はどんな感じだったのか聞いてみたところ「1週間勉強しただけで合格できましたよ!」というのです。
国家資格が1週間勉強しただけで取れる!?
この言葉を馬鹿正直に信じて受験しました。
試験を受ける実施団体はキンザイの『個人資産業務』を申し込みました
FPの試験団体は「日本FP協会」と「キンザイ」の2団体があります。
そして団体ごとに実技で出題される分野が異なり、合格率も違っています。
会社から指定があるなど、どうしても!という理由がない限り、合格率の高いFP協会で試験を受ける人がほとんどだと思います。
なのに自分は何も考えずキンザイの『個人資産相談業務』を申し込んでしまいました。
受かった今でも、なぜこの時の自分がキンザイに申し込んだのか理由が分かりません。
しかし受験票にはまぎれもなくキンザイ『個人資産相談業務』と書かれてあるので、実技は個人資産相談業務を覚えるしかありませんでした(泣
FP3級を学ぶテキスト選びのポイント

いざ独学で勉強しようとすると、どんな資格でもテキストをどれにするべきか悩むかと思います。
インターネットでも最初の見開きは試し読みできますし、テキストに対する批評記事を読むことはできます。
しかし、実物の大きさやテキストの分厚さまではよく分からないんですよね。
特に自分は社会人で勉強するためのまとまった時間はとりにくいです。
スキマ時間を活用するために、テキストを持ち歩くかもしれないことを考慮しなければなりません。
そのため実際に本屋さんへ足を運び、テキストを直接見て決めることにしました。
「みんながほしかった!FPの教科書」を選んだ理由
数あるFP3級のテキストの中から、自分が選んだのは『みんなが欲しかった!FPの教科書』のテキストと問題集を両方購入しました。
テキスト選定のポイント
『みんなが欲しかった!FPの教科書』は、テキスト・問題集共に500ページ超で厚さ3cmです。
他の出版社が出しているテキストと比較しても、かなりページ数は多い方なのですが、実はテキストは簡単に2つに分割できるのです。
そのため持ち運びしやすいのです。
分割してしまえば通勤バッグの中に入れても、さほどバッグの中で面積を取ることなく持ち運びでき、ランチタイムや電車通勤時間などのスキマ時間に勉強することができました。
イラストや図がたくさんある
ページ数が多い分、イラストや図がたくさん入っていてグラフは関係図が図解されていました。
文字だけですとどうしても分かりにくかったり、理解しにくかったりします。
特にファイナンシャルプランナーは初めて勉強するので、そういったとっつきにくさが出来るだけ少ないテキストを選び、みんほしになりました。
【試験1か月前】学生の1週間と社会人の1週間の違いに気づく
いざ『みんなが欲しかった!FPの教科書』のテキストを買ってきて、まず違和感を覚えました。
買った時から分かっていたことですが、500P超のテキストの分厚さはいざ勉強をはじめるとどうしたことでしょう。
テキストの角で殴れば十分凶器になる厚さです。
お金や税金、保険に関する内容なので仕方ないですが、ファイナンシャルプランナーのテキストはとても漢字が多いです。
内容も、初学者には見慣れない文言や言い回しばかりが並びます。
にしても、これをテキスト問題集合わせて1週間でやりこんで合格できた同僚すごい………と思っていたら、真実が判明しました。
『学生の時、ちょうど休みだったんですー』
同僚は学生の時(恐らく夏休みとか冬休みの長期休暇)に取ったことが発覚。
もちろん休みなので1週間じっくり勉強できたわけなんですね。
仕事がある社会人には到底真似できません。
たまに『ファイナンシャルプランナー3級は1週間で合格で合格できる!』とか聞きますが、これは勉強時間をしっかり確保できる方だから1週間で合格できるのです。
仕事がある社会人や小さいお子様がいて見ておかないといけない方は、まとまった勉強時間はほとんど取れません。
一週間前になって勉強をはじめず、試験1か月前にテキストを買ってよかったと心から思いました。
なので自分がFP3級を勉強したのは実質1か月になります。
FP3級の勉強のコツや流れ
勉強方法は人それぞれで好みのやり方があると思うですが、自分の勉強方法はコチラです。
01.最初はテキストをとにかく1回全部読む(約1週間)
とにかく読みました。ざーっとです。
『みんなが欲しかった!FPの教科書』は各分野ごとに、後ろに確認問題がついていますが、その問題も解くというより確認のために解くぐらいの軽いものです。
ざーっと読む程度なので、カフェで休憩中でも気軽にテキストに目を通すことができます。
これにだいたい1週間くらいかかりました。
02. 次に問題集を解いていきます【問題解く→解説読む→テキスト確認】(約2週間)
どの資格を勉強するときもそうですが、FP3級も【問題解く→解説読む→テキスト確認】の繰り返しで勉強しました。
問題を解く、というよりも単語や文言の確認作業と知識定着ですね。
そして問題文や解答文に慣れます。いくら単語を覚えても、いざ文章問題として問われると、答えられないということは少なくありません。
問題集1週目
テキストは一通りざっと目を通しても内容は忘れているので問題は解けず、ほぼ解説を読みながらです。
問題集1周目は解けなくて大丈夫です。この1周目の目的は知識の定着と整理、そして問題になれることにあります。
そのため、とにかく時間かかりましたが、焦らず一問ずつ問題と解説を交互に読み、さらにテキストを再度開いて単語を整理していきます。
問題集2周目
2週目でちょっと問題を解くスピードが速くなりました。
1周目で問題文をしっかり読み込んでいることで、問題文と解答文の言い回し、そして頭に定着しはじめているのです。
2周目でようやく【問題を解く→解答を見る→間違いやひっかけポイントを確認する】のサイクルができあがります。
03. 過去問サイトで直近4年間分の過去問をひたすら解く【試験本番まで約1~2週間】
問題集を2周したら、そこからは過去問サイトを使って、ひたすら過去問をまわしてました。
過去問を解くのに使用した過去問サイトはコチラです。
もちろん利用は無料で、ちゃんと毎年の法改正にも対応されているので安心して過去問を解くことができますよ。
あんまり古い過去問を解いても出題傾向が変わっている可能性があるので、ランダム出題問題を直近4年間分に絞ります。
4年と言ってもFP試験は年に3回あるので、実質12回分の過去問です。過去問の量としては十分です。
問題集を2周してだいぶ分かったつもりでいても、過去問を解いてみると全然です。
知識が定着していないことも勿論ですが、問題集では出題されていない分野も過去問ではたくさん出題されています。
しかし繰り返し問題を解くことで、問題文の流れや解答のひっかけの傾向が掴めます。
また過去問道場さんはスキマ時間にもスマホで過去問を解けるので、とても便利でした。
04. YouTubeでFP3級の講義動画を見る。
少し前までYouTubeの講義動画は無料で質が悪いと言われていましたが、今は全然そんなことはありません。
下手な有料講義よりもはるかに良質な講義動画がたくさんアップされています。
ずっと過去問を解いていて気が滅入りそうなときや、仕事で疲れていてとても問題を解く気分になれないときはYouTubeの講義動画を見ました。
自分がチャンネル登録してよく見ていたのはコチラです。
苦手な分野を見てもいいですし、なんでもいいです。
覚えにくい分野や内容も、ゴロ合わせを教えてくれて助かりました。
そして試験直前になると、試験対策用に問題でよく出るポイントや重要ポイントだけをぎゅっと絞った試験直前講義動画をアップされます。
自分はその試験対策動画に絞って見ていました。
FP3級を勉強したトータル時間
勉強するとき「studyplus」という勉強時間を記録できるアプリを使っていたのですが総勉強時間は、45時間でした。
一か月(30日)で割れば平均して1日1.5時間くらい勉強していたことになります。
しかし平日は仕事等で勉強時間を取れない日もあるので、平日はさらっとテキストに目を通したり、動画を見たりして、土日時間が取れるときにしっかり問題を解きました。
試験1週間前、会場変更通知が突然届く

それは試験本番1週間前に突然届きました。
すでに受験票は届いていたので、『差替分』って何?状態でした。
内容は試験会場変更に関する通知書でした。
試験会場が本試験1週間前に変更になったら、FP試験を受ける方は当然驚いて騒ぎになるでしょう。
しかし、Twitterやインスタでもそんな騒ぎはなく、念のために実施団体の公式ページを確認したところ、特定試験会場での受験者のみ、会場変更となっていたのです。

そして自分は試験会場変更の対象者(埼玉大学受験)だったのです。
コロナで大学側が急に学校の建物を貸せないと通知してきたんですかね……。
仕方ないですけれど、もう少し早く連絡欲しかったというのが正直な本音です。
それでも2020年の5月は試験会場が変更どころか、試験そのものが中止になり、しかも受験費用の返金すらなかったことを考えれば、まだマシな方なのでしょう。
FP3級試験本番(新宿)
会場変更された自分の試験地は都庁に隣接しているホテルの宴会場でした。
土地勘の全くない場所に変更されなくてよかったです。
電車がいつ止まるともわからない都内ですので、早めに家を出て最寄り駅(新宿駅)に向かいます。
そして試験会場に近いカフェでスマホで過去問を解いてましたが、同じようにFPのテキストを開いて勉強されている方をちらほら見かけました。
そして試験説明が始まる10分前に会場に入ります。
最寄り駅までやはめに行っても、会場にまで早く入ってしまうと自分は周囲の雰囲気に飲みこまれてしまう性質なので、説明が始まる10分前あたりがちょうどよかったです。
午前:学科試験 / 午後:実技試験
FPの試験は午前に学科、午後に実技が行われます。
FP3級の試験はマークシート方式ですが、基本的な問題が出題されるので、過去問をしっかり回していたことで特に詰まるようなことはありませんでした。
また問題の選択肢も3択なので、どれか迷ってもマークを塗っておけば、3割以上の確率で当たります。
そして午前学科が終わって休憩する間もなく、午後に始まる実技のために、試験会場近くのカフェでランチを食べながら実技過去問をまわしました。
実技は電卓を用意していたのですが、ほとんど使用しませんでした。
自分が受けた試験が『個人資産相談業務』(キンザイ)だったからかもしれません。
他の実技分野では電卓を使用するかもしれないので、これからFP受験を考えていらっしゃる方は念のため電卓を持って行った方が無難です。
FP3級の試験が終わって、自己採点
ファイナンシャルプランナーの試験は、受験当日の夕方には実施団体の公式HPに解答がUPされます。
しかしFPの試験は体感で一日に試験を2回受けるようなものなので、体力がっつり持っていかれました。
なので、家に帰ってひと息ついてから問題用紙に写していた解答番号と照らし合わせて自己採点しました。
無事に学科・実技とも合格ボーダーの6割を超えていました。
途中何個か正誤が分からない問題がありましたが、3級の試験はすべてマークシート方式なのが助かりました。
勘でマークつけた問題が当たってました。
FP3級合格発表日 10:00
試験の合格発表ってなんでいつも平日なんでしょうね……。
社会人の皆さまの多くは、絶賛仕事中ですよ……。
しかし、やっぱり当落は気になるので、こっそり確認しにいきました。

自分はFP3級はキンザイで受験したので学科・実技共に合格すると『総合合格』になります。
(日本FP協会で受験すると『完全合格』と表示されます)
どんな試験でも合格って嬉しいものですね。
合格お祝いにお寿司食べにいきました。
まとめ | FP3級を勉強して役立ったこと

前評判通り、FP3級は難易度は確かに低めでした。
しかし、絶対に『簡単』ではありませんでした。
初学者にとってまずあのテキストの厚さ、漢字ばかりの単語の長さ、出題分野の広さはハードルが非常に高いです。
あのテキストを一通り目を通すことすら、大変な労力になるでしょう。
そして試験ではFPの分野を広く浅く問われます。
応用は必要なくても、基礎をしっかり押さえてなくてはならないのです。
いくら試験がマークシート方式とはいえ、まったく勉強しないで適当にマークシート塗りつぶして合格は、よっぽど運が強くなければ、ほとんど無理でしょう。
けれど、『基礎』となる知識はは、仕事としてファイナンシャルプランナーにならなくても、社会人として日本で生活していく上で役立つ知識ばかりです。
怪我をして働けなくなったとき、会社を辞めたとき、親が無くなって相続が発生した時にどうすればいいのか。
何もしなければ社会保障は受けられず、けれど容赦なく税金は取られていきます。
そんなことにならないためにも、お金の基礎知識を学んでよかったと思いました。
オマケ | 成績通知書

FP技能士の試験は合否に関係なく試験での成績通知書が届きます。
試験のどの分野がどれくらい点数取れたか、ということですね。
資格試験の多くは合否だけを通知して、実際に自分がどれくらい点数が取れたのか分からないということが多いので、こうして成績が分かるのは嬉しいですね。
もし試験に落ちたときも、点数が取れなかった分野を対策することができます。
この時、コロナ渦でいつ陽性になるか分からない状況でした。
陽性になれば入院・在宅療養どちらになっても収入は減ります。
いつ何が起こってもいいように短期の保険をちょこっと増やしただけでも、
安心できました。
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