ファイナンシャルプランナー(FP)とはお金まわり(年金、貯蓄、資産運用、保険、税金、所得税、貯蓄、資産運用など)についてのエキスパートです。
学生から社会人になり、お給料をもらうようになれば税金を納めたり、年金や保険料を納めたりしないといけなくなります。そんなときご自身のお金についてしっかり知っておくことで、安心して暮らすことができます。
お金周りについて学ぶので、たまに『お金の教養』とも呼ばれていますね。
またファイナンシャルプランナーの資格として初めて学ぶ方が最もチャレンジしやすく、手軽に取り組みやすいのがファイナンシャルプランナー3級の資格です。
ファイナンシャルプランナー(FP技能士)には実施団体が2つあります。
ファイナンシャルプランナー(FP技能士)になるためには試験を受けなければなりませんが、試験は2団体が実施しています。
- 日本FP協会
- 金融財政事情研究会(きんざい)
どちらを受けても資格は同じ『3級FP技能士』です。
2つの実施団体の違いは、試験の実技で出題される分野が異なります。
ファイナンシャルプランナーの資格は国家資格の『FP技能士』と民間資格の『AFP/CFP』があります。違いは『FP技能士』が日本国内で通用する資格であるのに対し、『AFP/CFP』は国際的に通用するFP資格になります。
3級FP技能士の試験に合格されましたら、さらなるスキルアップを目指し、より高い等級の1級・2級FP技能士、または『AFP/CFP』取得を目指してみるのもいいでしょう。
(『AFP/CFP』は難易度的にFP2級=AFP、FP1級=CFPと同程度と言われています)
ファイナンシャルプランナー3級の難易度。どれくらい勉強すれば3級に受かる?

FP3級試験の難易度は独学で約50時間が目安です。一日1~2時間勉強して1か月ほどになります。
まとまった時間が取れる学生の方でしたら1~2週間で試験合格圏に入れるでしょう。
FP3級の合格率は毎回70~80%で推移しており、簿記3級や他の国家資格と比較しても、難易度が低く取得しやすい資格となってます。この合格率の高さから独学で勉強して合格されている方も多くいます。
また試験の問題も出題傾向が毎回同じなので、過去問を繰り返すことで試験対策ができます。
FP3級技能士試験の出題形式と合格基準
FP3級技能士の試験は午前に学科(120分)、午後に実技(60分)が行われます。
学科と実技は一緒に受けてもいいですが、まず学科に受かってから実技を後日受けるということもできます。
さらに3級は学科・実技共にマークシート方式の2択または3択問題なので、答えが全く分からなくても1/3の確率で正解します。
試験種類 | 出題形式 (マークシート形式) | 問題数 | 試験時間 | 合格基準 |
---|---|---|---|---|
学科 (FP協会・キンザイ共通) | 筆記 | 60問 | 120分 | 36点以上 (60点満点) |
実技 (FP協会) | 筆記 資産設計提案業務 | 20問 | 60分 | 60点以上 (100点満点) |
実技 (キンザイ) | 筆記 個人資産相談業務 | 事例形式 5題 | 60分 | 36点以上 (60点満点) |
筆記 生保顧客資産相談業務 | 事例形式 5題 | 60分 | 36点以上 (60点満点) |
(※キンザイ実技は事例形式 1題につき3問なので、計15問です)
上でFP3級の試験実施団体は2つあると紹介しましたが、実技試験がそれぞれ別の分野が出題されます。
どの分野を実技で受けるかは、ご自身の得意分野や学びたい分野、合格率から選ぶとよいでしょう。
お仕事関係でFP3級を受けられる方は、お勤めになっている会社で実技の分野指定の有無を確認してから受験するのをおすすめします。(会社推奨資格として受験される場合)
会社がFP資格なら何でもOKということでしたら問題ありませんが、保険会社等ですと稀に実技の試験分野を指定している時があります(汗)
ファイナンシャルプランナー3級の合格率
日本FP協会とキンザイのどちらを受けて合格してもFP3級技能士の資格が得られます。ですが、2団体が実施する試験は出題する分野こそ同じであるものの、問題が異なるため合格率が異なっています。
(2020年5月はFP試験自体がコロナ渦の影響で中止になりました)
【学科】FP協会のFP3級合格率
実施年/月 | 1月 | 5月 | 9月 | 平均 |
---|---|---|---|---|
2020年 | 85% | 中止 | 90% | 87% |
2019年 | 74% | 69% | 78% | 73% |
2018年 | 80% | 79% | 79% | 79% |
2017年 | 72% | 72% | 78% | 74% |
【学科】キンザイのFP3級合格率
実施年/月 | 1月 | 5月 | 9月 | 平均 |
---|---|---|---|---|
2020年 | 65% | 中止 | 69% | 67% |
2019年 | 52% | 43% | 63% | 52% |
2018年 | 65% | 58.% | 62% | 61% |
2017年 | 48% | 55.% | 70% | 57% |
学科の合格率を比べてみるとFP協会の合格率が毎年70%以上であるのに対し、キンザイは50~60%と低めです。
近年になるにつれて合格率があがってます。
2020年9月の合格率90%はすごいですね。
【実技:資産設計提案】FP協会のFP3級合格率
実施年/月 | 1月 | 5月 | 9月 | 平均 |
---|---|---|---|---|
2020年 | 79% | 中止 | 88% | 83% |
2019年 | 83% | 86% | 79% | 82% |
2018年 | 89% | 90% | 87% | 87% |
2017年 | 85% | 86% | 85% | 85% |
【実技:個人資産相】キンザイのFP3級合格率
実施年/月 | 1月 | 5月 | 9月 | 平均 |
---|---|---|---|---|
2020年 | 50% | 中止 | 35% | 42% |
2019年 | 56.% | 54% | 45% | 51% |
2018年 | 67% | 71% | 51% | 63% |
2017年 | 75% | 60% | 76% | 70% |
【実技:保険顧客資産相談】キンザイのFP3級合格率
実施年/月 | 1月 | 5月 | 9月 | 平均 |
---|---|---|---|---|
2020年 | 48% | 中止 | 56.% | 52% |
2019年 | 39% | 45% | 43% | 42% |
2018年 | 43% | 36% | 34% | 37% |
2017年 | 49% | 41% | 67% | 52% |
実技の合格率もFP協会がまいとし80%を超えているのに対して、キンザイの合格率は50%前後となってます。
これはFP協会が出題分野を広く浅く出題するのに対して、キンザイは出題分野を絞って深いところまで出題する傾向が現れた結果でしょう。
このことからも合格率で見ればFP協会で受験した方が合格率は高いです。
しかしFP知識に関して深いところまで問われるキンザイは、保険業務や総務や事務といった実践部分ですぐに役立つことが多く出題されます。
FP3級試験概要

試験申し込みは申込書送付とインターネット申し込みができます。
速く合格結果を確認されたい方はインターネット申し込みがおススメです。合格発表日の朝9時半に公式ページで合否を確認できます。
受験費用
等級 | 試験種類 | 受験手数料(非課税) |
---|---|---|
3級 | 学科と実技 | 6,000円 |
学科のみ | 3,000円 | |
実技のみ | 3,000円 |
FP技能士試験は午前に学科(120分)、午後に実技(60分)で行われます。
受験される方の中には、学科と実技を別々に受けられる方がいらっしゃるため、受験料も別々に支払うことができます。
試験日・スケジュール
FP技能士の試験は年に3回、5月・9月・1月に実施されます。
- 【5月試験】
3月 受験申し込み開始
5月 本試験
6月 合格発表 - 【9月試験】
7月 受験申し込み開始
9月 本試験
10月 合格発表 - 【1月試験】
11月 受験申し込み開始
1月 本試験
2月 合格発表
国家資格試験の多くは年に1度しか試験が行われませんが、FP技能士の試験は年に3回行われます。
5月に3級を取ってせっかく覚えた知識を忘れないうちに、連続して9月に2級を受験する、ということも可能です。
試験実施団体
FP技能士の3級試験は2団体が実施しています。
- 日本FP協会
https://www.jafp.or.jp/ - 金融財政事情研究会(きんざい)
https://www.kinzai.or.jp/
どの実技試験を受けるのか、よく確認した上で実施機関を選び申し込みしましょう。
FP3級に合格するための勉強方法は?
FP3級の試験は試験の難易度が低めなので、市販のテキストで学び、過去問を繰り返し解くことで十分合格することが可能です。
最近はYouTubeの無料講義動画の充実や、良質な過去問サイト(解説付き)が増えています。
それにより受験される方の質が向上して、直近年度の合格率を押し上げています。
中にはテキストは購入せず、動画チャンネルや過去問サイトだけを解いて、FP3級に合格される方もでてきてます。
おススメの動画チャンネルや過去問サイト
市販のテキストと問題集では不安という方はYouTubeに上がっている無料講義動画を見て学習されたり、過去問サイトで過去問を繰り返し解くとよいでしょう。
FP3級の試験は過去に出された問題と類似している傾向があるので、動画でインプットして過去問を繰り返すことで、試験対策ができます。
■おススメYouTubeチャンネル(FP3級)
■おススメ過去問サイト(FP3級)
- お金の寺子屋(https://moneyterakoya.com/)
お金の寺子屋さんは過去問も置かれているんですが、ご自身のサイトでFP3級のオンラインスクール(無料)もされています。
https://moneyterakoya.com/freelecture/lecfp3/ - 過去問道場(https://fp3-siken.com/)
過去問を学科・実技と解くことができるのですが、出題年を選択しランダム出題できる機能があったり、正誤の解答をステータスのようなグラフに出来る機能もあるため、自分がどの分野が苦手としているのかとても分かりやすいです。
まとめ

本音を言うと、FP3級の学習内容は社会人となる前の高校でどうして教えないのだろう?と疑問に思うくらい、お金に関する基礎知識が沢山盛り込まれています。
社会人になっていきなり税金、年金収めろと言われても、まったく分からないしどうすればいいのかも分からないんですよね。かと言って節税の方法や控除の方法に至っては誰も教えてくれません。
女性の方は出産給付金や出産前後の年金納付控除なども、どうやって申請すればいいのか分からなくても当然です。
自分で勉強しておかないとお金は損するばかりです。
逆に知っていることで、自分の身を守り、安心して暮らせることに繋がります。
FP3級はお金に関する基礎中の基礎が学べ、さらに国家資格として認められています。合格すれば資格を生かしたお仕事への第一歩と繋がります。
FPを学習してお金に関する知識をしっかり身に着けましょう!
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